プロデューサーメッセージ-映画「武蔵野」製作委員会
映画「武蔵野」

~江戸の循環農業が息づく~

~江戸の循環農業が息づく~


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    映画『武蔵野』への思い

    プロデューサー・鈴木(神出)敏夫

     映画『武蔵野』を是非多くの方々に観ていただきたい。平地林の多様性と、四季の移ろいの美しさを再認識し、農を営む人々の働く姿や家族の笑顔にホッとするだろう。農家が置かれた現実と思いをくみ取り、それを支援する人たちの活動があることも知って欲しい。何よりも、東京30km圏内にこれだけの平地林が残り、今もなお落ち葉堆肥農法の要として利用され続けていること。そしてこの平地林は、360年以上前に人の手によって生まれた人工林(農用林)だったということを。この平地林を無くしてはならない。
     本映画に登場する農家・伊東蔵衛さんが、「百姓は百年一日のごとし」という親父の言葉を守って実践しているだけと語る場面がある。20世紀には、農業機械・化学肥料・農薬・品種改良が現代農業に革命をもたらし生産性を大きく向上させた。21世紀には、ロボット技術やICTを駆使したスマート農業がこれからの時代を創ると注目を浴びている。それから見ると、なんと古くさい言葉と感じる方も多いだろう。しかし、しかしである。DNA解析技術の発展によって作物と土壌の世界観はダイナミックに変化していて、落ち葉堆肥のような有機物と多様な土壌動物・土壌微生物と植物の根の相互作用が解明されるにつれ、今また脚光を浴びている。「百年一日のごとし」の中に、今までの科学では解明されなかった真理が含まれていた。まさに、環境保全と農業生産が合理的に結びついていたのだ。機械や施設が農業をしてくれるわけではなく、やはり自然と自然に生かされる人間との関係で成り立つのだと思う。人が関わるからには、効率性だけでなく、人を感動させる四季折々の平地林の美しさ、循環の妙、農家の工夫、家族の笑顔、それを支える市民のネットワークが欠かせない。そこを原村監督は丁寧に描いている。この映画をきっかけにして、是非現地を訪れて目の当たりにしてほしいものだ。

    映画『武蔵野』製作委員会副会長(農文協プロダクション代表取締役)